司法書士試験の予備校講師時代を振り返る【コラム】

司法書士として生きる

今回は、司法試験ではなく、「司法書士試験」の話である。

僕は、平成21年度に合格した後、平成23年から25年頃くらいまで、LEC東京リーガルマインド那覇本校という予備校で受験指導をしていた。
理由は、合格してもう一度法律の勉強を見直したい、人前で法律を話す練習がしたい。
でも大きな理由が、司法試験でこれだけ多くの不合格という体験をしたので、同じような失敗を沖縄の後輩にさせたくない。
僕なら不合格体験記をもとに何か受験生に伝えられるのではないか。
そう思ったからである。

予備校講師として出せた結果・実績

5年で6名の合格者を輩出した。
僕のクラスの受講生もいれば事務所職員もいた。

平成26年度は、沖縄県内で4名しか合格しなかったにも関わらず、
合格者中2名が教え子だった。

以下は、日高クラス、日高司法書士事務所出身合格者

平成26年度 赤嶺恭士(現、赤嶺司法書士事務所所長)
平成26年度 仲與根巧(東京にて司法書士事務所勤務)
平成27年度 真境名一綱(現、真境名司法書士事務所所長)
平成28年度 日比正太郎(現、ハイビス司法書士事務所所長)
平成30年度 前田拓美(現、レスター司法書士法人 社員司法書士)
平成30年度 照屋亮(現、レスター司法書士法人 社員司法書士)

受験生はどんな人たち?

専業受験生もいたり、レスター司法書士法人(当時ひだか司法書士事務所)の職員で働きながら受験したり、長年合格できなくて、事務所を訪れ働きながら、実務経験を通して勉強して行った。

合格者3%の国家試験でこれほど多くの合格者が出るとは思わなかった。

僕の指導法

僕が何かしたわけではない。
みなさんが努力した結果に過ぎないことは言うまでもない。
本人の汗を果汁に例えると、「果汁100%」本人の努力だ。

講義の中では、僕の実務経験などを含めて仕事の面白さ。
独立開業の良さや苦労。
などを話していた。
その程度。

あえて振り返ると、一番は、「刺激」だったように思う。
クラスも数名しかいない地方の小中学校のようだった。
これが、いい感じでクラスの仲間はライバル意識が強く、みんな頑張っていた。
事務所勤務のメンバーも僕が落ちて、同僚が合格したら事務所に入れない。
そんな感じで。

緊張感や補助者としての責任感を持たせたケース

こんなこともあった。
ベテランとされるような数年かかっていた受験生がいた。
実力はあるのだが、どうも緊張感が足りない。

新人で若手の合格者を採用した。
新人ならでは、もしベテランなら絶対しない初歩的な失敗。
僕はこう伝えた。
あえてその若手司法書士の初歩的な補正(法務局ミスを訂正する手続き)をベテラン受験生に直しに行くよう指示した。

資格者の補正をする尻拭いは、補助者の仕事である。年齢、経験など関係ない。
しかし、仕事ができる人からすれば屈辱でしかない。

僕は、その後、個別ミーティングをして、熱くこう言う。
「お前、あいつの補正に行かされて悔しくないのか、お前の方が経験も実力もあるだろ。なぜそうなるか。。。」と

映画スクールウォーズの滝沢賢治のイメージか(超古い☺️

※映画スクールウォーズ
高校ラグビー界において全く無名の弱体チームが、この教師を迎えた日から、わずか7年にして全国優勝を成し遂げた奇跡を通じて、その原動力となった愛と信頼を、余す所なくドラマ化した物である。

そうすると、どうなるのか。
翌年合格した。
結婚もした。
子宝にも恵まれた。

受験テクニック以上の指導の本質

技術面は、僕は教えていないと思う。各自様々な技を習得していて。僕の方が感心した。
どこかで話そう。
要は、①理解、②記憶、③テクニック、④メンタル
そのあたりか。

とはいえ、僕の指導の本質は、「本気で合格したいのか」というだけで、技術指導はない。
「人に勝つ前に自分に勝て!」
という徹底した「根性論」である。

合格者のその後は?

3年ほど実務経験を積んで独立開業している。みなさん、今でもよく事務所に出入りしている。開業したら、その都度悩み事も尽きないようだ。

本来なら、そのまま勤務して欲しいというのが本音だが、独立開業というのが、目的なので、やむを得ないと思う。

今後は、独立しないように自社の努力が必要だ。資格を取っても独立するというリスクをとるより、そのまま勤務していたいという、環境作りが大切である。

将来のビジョン

例えば、現在の事務所だから経験できるやりがいのある事件や案件で、
司法書士の職業魂にを燃えさせるような仕事を多くしたい。

海外取引を多くしたり、留学制度。
沖縄県内の北部、南部を問わず、離島案件から
東京。第2の故郷北海道!

県外、海外をネットワークで繋げたらいいかなと。

コロナ渦でWEBで繋ぐことにより、仕事の幅が広がった。

よりやりがいある環境を作っていきたい。

会社法を利用した企業コンサルや、税理士などとアライアンスチームを組み
県内企業のコンサルタント業務など。

多くのプロフェッショナルの協力が必要だ。
また、きっといつか。
事務所を卒業したメンバーも一緒に仕事できる日を楽しみにしている。